就職活動2.0(新卒エージェントの選び方④)
佐藤です。
21卒の就活生に向けたエントリーを続けます。
今回は記事の内容にツッコミます。
Q:この部分に何を思うか1
<以下本文の一部を抜粋>
「新卒で『企画がやりたい』『秘書になりたい』という根拠のない希望を話す子もいます。そういう子には希望をかなえるのが難しいと伝えたり、あなたの大学ではこの企業は無理だとはっきり伝えたりすることもあります。夢見がちなままでは受かりませんから」
<コメント>
就活生に現実を伝えること、地に足の着いた考えをさせること、は“選択肢の最適化を図る”という観点で考えると必要なことです。一方で、「あなたのその希望を叶えるために何をすべきか」、「あなたの大学でもこの企業に受かるためにはこうした準備が不可欠です」という新卒エージェントとしての前向きな議論や提案が期待できなさそうに感じる点は残念です。
Q:この部分に何を思うか2
<以下本文の一部を抜粋>
「次は○○営業部長の面接だから、こういうことを言わないほうがいい。こういうことを言うと喜ばれるぞ、というようなアドバイスをすることもあります」
「電話で面接当日、覇気がない子に関しては弊社の担当が、自信を持てるように駅で一緒に発声練習をしてあげるケースもありました」
<コメント>
こうしたフォロー(サービス)については疑問を感じます。とにかく企業の内定が欲しい!!」という就活生には喜ばれると思う一方で、より本質的な就活生には「手厚いフォロー」ではなく「なんとかその学生に下駄を履かせて、選考先企業に押し込もうとしている営業活動」に感じるであろうからです。
新卒エージェントに手間(負荷)が掛かりますが、“就活生自ら思考しPDCAサイクルを回すことをサポートする付き合い方”が理想的ではないでしょうか。
Q:この部分に何を思うか3
<以下本文の一部を抜粋>
もう1つ重要な役割が、学生の「企業へ入社したい」という意向を上げることだ。すなわち、企業側の「(この学生が)ほしい」という声を代弁し、学生に入社したい気持ちを高めてもらう。過去に入社した人のデータ、タイプや評価、今の活躍などを教えることで、彼らに働くイメージが湧くようにすることもあるという。
<コメント>
採用の実務経験者として感じることですが、企業側の人事/採用担当者にとって、就活生の入社意向を上げることは極めて重要なことです。一方でそれは人事/採用担当者の仕事/役割であって新卒エージェントに求めることではないと思います。
シンプルに
- 企業側の「(この学生が)ほしい」という声を代弁し…
- 過去に入社した人のデータ、タイプや評価、今の活躍などを教える…
これらは人事担当者から就活生に直接伝えた方が効果的です。
新卒エージェントが企業と求職者の間に入る際の役割期待は、
「この学生は御社のことを〇〇だと誤解しています、正しい理解のために追加で△△の情報提供をお願いします」
「この企業はあなたについて◇◇だと心配しているけど、それについてあなたはどう思う?もし追加で情報提供したいのならそのための場を用意してもらおう」
など、二者間の正しいコミュニケーションを成立させること(相互の正しい評価を実現するための仲介、情報の非対称性を解消する支援)だと考えます。
企業、就活生、どちらにも付かず離れずのニュートラルなスタンスを維持できるかどうか、この点にこそ新卒エージェントの真価が問われるのでしょうね。
(「慈善事業じゃないぞ!!マネタイズはどうするんだ!!」という同業の方々からの厳しいツッコミが聞こえてくるようですが笑)
就活生皆さん、上記視点も参考に新卒エージェントを探してみてください。
就職活動2.0(新卒エージェントの選び方③)
佐藤です。
先回に続き、主に21卒の就活生向けのエントリーを続けます。
Q:盲点の窓の分析を担える新卒エージェントはどのような特徴があるのか
盲点の窓の他己分析を正しく行うためには
① 就活生が抵抗なく自己開示/をしたり悩みを相談できること
② フィードバックが的確であること(就活生の腑に落ちる説明ができる)
どちらの条件も満たす必要があります。
実は①を満たす(満たしそうな)新卒エージェントはたくさんありますが、②を満たす新卒エージェントはほとんどありません(今まであまり聞いたことがありません)。
Q:①を満たすかどうかの見抜き方
確実ではないものの、それなりの精度で確認する術は
新卒エージェントにとって都合の悪い質問に対して誠実に回答してくれるかどうか
かなと思います。
<新卒エージェントにとって都合の悪い質問例>
- 御社はどのように収益を出しているのですか?
- 御社の勧める企業を就職先として選択した会員の割合はどの程度ですか?
- 他の新卒エージェントと比較して何がどのように違うのですか?
これらの質問に対して曖昧な回答だったり、「なぜそんなことが気になるの?」と質問で返されたりした場合はすぐにエージェントを変えましょう。
Q:②を満たすかどうかの見抜き方
フィードバックが的確かどうか、腑に落ちる説明ができるかどうか、については
- キャリアアドバイザーの論理思考力が高い
- キャリアアドバイザーの説明能力が高い
- キャリアアドバイザーのコミュニケーション能力が高い
という能力面で判断したいところですが、就活生には難しいはずなので、
- キャリアアドバイザーの学歴がそれなりに高いこと
- キャリアアドバイザーの経歴が明らかでなんらかの実績を残してきていること
- キャリアアドバイザーが接してきた人の数が多いこと
一旦この条件をクリアしているかどうかを基準としてみてください。
さらに余裕があれば実際に会って、以下のネガティブチェックをします。
- 「就活ってそういうもの」と、専門家面をするが納得のいく理由を述べられない
- 就活生の力量や経験、準備不足しか指摘することができない
- アドバイスが常に精神論(根性論)で分かり難い
- アドバイスが宗教的で、そのアドバイザーの価値観を押し付けられる感覚がある
チェックが付かないエージェントは“当たり”です。
就職活動2.0(新卒エージェントの選び方②)
佐藤です。
先回に引き続き、主に21卒の方に向けたエントリー。
Q:選択肢の最適化は自分ではできないのか
できる人もいます、が多くの人にとっては難しいと思います。
そもそも選択肢の最適化のためには
① 自己を正しく認識すること
② 相手(企業)を正しく認識すること
③ 目の前の選択肢を自らの基準で整理(取捨選択)する
という手順になりますが、①で躓く就活生が大半です。
Q:なぜ①が難しいのか
①は就活用語で“自己分析”と呼ばれるものですが、有名なジョハリの窓を用いてどのように行うのか説明してみます。
ジョハリの窓では、自己がこの図のように4つの窓で表現されます。
つまり自己分析とは“この4つの窓について明らかにしていく”ことを意味します。
しかし、自分だけで分析できる領域は
- 開放の窓
- 秘密の窓
の2つに留まってしまうため、自分だけで自己分析を完結させることはできません。
Q:残った2つの窓をどう対処するか
まず未知の窓は誰も知らない自己なので分析対象から外します。
次に盲点の窓は他己分析により対処します。
他己分析とは文字通り“他人による自己分析”ですが、この“他人”に相応しいのは専門家です。
Q:他己分析を行う相手は、友人や先輩/後輩、先生、家族ではダメなのか
残念ながら相応しくありません。
なぜなら
・彼らは人を分析する専門家ではない (専門家であれば〇)
・彼らにあなたを言語で説明する能力があるのか分からない(言語化能力があれば〇)
・人間関係への悪影響を心配して“当たり障りのない分析”をしてしまいがち
という理由が考えられます。
21卒の就活生の方は、この点の分析能力に優れたエージェントを是非選んでください。
就職活動2.0(新卒エージェントの選び方①)
佐藤です。
20卒採用が就職に向かいつつある中、21卒採用がスタートしています。
今回は21卒の就活生に向けた投稿をしようかと思います。
昨日もまた、こんな「いまさら感」のある記事に出会ったので、起点とします。
Q:新卒エージェントは使うべきか
使うべきです。
「佐藤が新卒エージェントである」ため営業っぽく聞こえて説得力に欠けてしまうのが残念ですが、佐藤が「今の知識のまま就活生に戻り、就活を行う」なら、遅くとも大学3年生(または修士1年生)の夏休みに入るまでに信頼のできるエージェントに登録します。
Q:なぜ使うべきか
“選択肢の最適化”を期待できるからです。
現代の就活生が抱える最も根本的な問題は「活動時間に対して検討すべき選択肢が多過ぎること」です。氷河期を経験した世代から見ると極めて贅沢な悩みですが、選択肢が多すぎることは「入社後のミスマッチを発生させ得るひとつの要因」であるため、“選択肢の最適化”ができるかどうかは就活/就職の成否を左右すると考えます。
この記事でも
希望に合った求人/適正に合った求人を各社独自のデータマッチングシステムなどから紹介する
と書かれていますが、私の主張に似たように見えて全然違います。
Q:何が違うのか
希望に合った求人/適正に合った求人を
①自社の取引先の中から求人を紹介する
のか
②自社の取引先かどうかに関わらず求人を紹介する
のかで差があります。
この記事に書かれている(と言うか世の中のほとんどの)新卒エージェントは①で、私は②を重視するエージェントでなければ“選択肢の最適化”は図れないと考えます。
しばらくこの話題で連載します。
「新卒」面接解禁!(続)
佐藤です。
昨日、大手企業の採用面接が解禁されました。
Q:なぜこの記事に登場している就活生がうまくいっていないと感じるのか
大企業の新卒を採用するルート
①6/1までに内定かどうか決まっている早期選考ルート
②6/1以降に内定かどうか決まる通常ルート
の②として列に加わっているからです。
※もちろん全員が②ではなく①の該当者ももちろん一部含まれるでしょう
※①に該当する就活生の場合は、この場では面接ではなく意思確認がなされます
②の就活生は、
- ①としての評価を獲得できなかった
- ①の評価を獲得する機会に参加しなかった
ため②になっています。
Q:それだけでは②が就活がうまくいっていないと言い切れないのではないか
昨今の就活ではいかに①に入るのか、もっと言えばいかに
早期に内定を1社獲得して、経団連加盟企業との比較検討を十分に行って、6/1以降は「意思決定だけ」という状態にできるか
が重要です。
私の考えでは、現在における最も望ましい就活の終え方は
自ら納得のいく意思決定をする(ができる)こと
だとしていますが、そのために上述の要素は欠かせません。
②に入ってしまうと必然的に、企業側の採用事情、もっと言えば採用市場全体の動向、に自身の就職活動が翻弄されてしまい、自ら納得のいく意思決定をすることよりも、さっさと就職先を決めて安心することの方が優先度が高くなってしまいます。
※②でも自ら納得のいく意思決定ができる方が一部存在することは否定しません
詳しくはまた別途書こうかと思います。
「新卒」面接解禁!
佐藤です。
大手企業の採用面接が解禁されました。
Q:この記事に何を思うか
大変申し訳ありませんが、
- この記事に登場している企業
- この記事に登場している就活生
はそれぞれの活動(新卒採用活動、就職活動)がうまくいっていないなと感じます。
Q:なぜそう感じるのか<企業側>
その企業に入りたい就活生のパイからしか人材を採用できていないと言えるからです。
この記事からは断片的な情報しか得られませんが
- 全国31か所で1600名の就活生が参加
- うち東京が800名 である
- 面接を1:1で行っている
とのことです。
色々とツッコミどころは感じつつ、損害保険ジャパン日本興亜と同等の大企業は
他に約10,000社
あり、上場企業に絞っても
他に約2,000社
あります。
つまり今日、損害保険ジャパン日本興亜の面接に列を作っている就活生は、一斉に面接解禁となった筈の他の企業の初日面接の列に加わるという選択をしていないので
- 損害保険ジャパン日本興亜が第一志望(または第一志望に限りなく近い)
という共通点があることになります。
その企業に入りたい学生 = その企業が欲しい学生 ではない
ので、その企業に対して志望度の高い就活生のパイからしか新卒を採用できない“厳しい状況”と言えます(中にはもちろんその企業からの評価が高い学生もいるでしょうが)。
特に無形商材(人の優秀さが事業上の競争優位性となる領域)の企業で、採用活動がこうした状況に追い込まれるとジワジワと競争力が失われてしまう危険性を感じます。
経団連の指針を遵守して採用活動を行っている大企業はどこも似たような状況なのでしょう…。
明日は学生側に対して感じることを。
間もなく「新卒」面接解禁!
佐藤です。
二日もお休みしてしまいましたが、いよいよ明日は就活の面接解禁日です。
とっくに形骸化している(総合商社でさえ内定を既に出している…)とは言え、内定承諾の意思決定を待つ人事担当者は気が気ではないですね。
Q:この部分に何を思うか
以下記事の一部を引用
現時点で内定を出しているのは経団連非加盟企業。売り手市場だけに大手志向が強く、内定を得ていても過半数の学生は6月に選考が始まる一部の大手企業を中心に活動を続けるという。中堅企業幹部は「中堅・中小企業は(学生の)つなぎ留めに必死」と語る。
事実とは異なり、「経団連加盟企業も含め」内定を出しています。
明日からの面接は儀式です。
私の身近な学生からも既に「某総合商社からの内定がでました!」「某総合研究所から内定いただきました!」などなど、実名を出すことは控えますが経団連加盟企業からの内定獲得の声を聞いています。(内々定だとか、ジョブマッチング成立だとかも、本当にややこしいだけですね笑)
2020年度の採用に関しては、3月の広報解禁あたりから経団連加盟企業からの内定が付与され始めた感覚です、2021年度はさらに早まるでしょうね。
何はともあれ2020年卒の就活生の皆さん、間もなく就活終了です。
是非自身で納得の意思決定をなさってください!!