【考察①】就活ルールの廃止について
佐藤です。
今日のお題は、2019年度卒の就活が落ち着き、
2020年度卒向け夏季インターンシップが盛況となる中、
連日メディアの話題を攫っている本テーマについて。
個人的に言いたいこと満載なので、
このテーマでしばらく引っ張るかも知れません。
Q:就活ルールは廃止すべきか
廃止で良いでしょう。
まず、策定から4年も経たないうちにすっかり形骸化してしまっているこの状況を冷静に分析する必要があります。
「今の就活ルールを見直して最適化する」という選択肢もありますが、
- 外部環境(ビジネス市場における前提など)は今後も変化し続ける
- その変化のスピードは一層速まることが予想される
以上より、現行ルールを見直して公表される頃にはまたすっかり前提が動いてしまっていてその時の市場にそぐわず形骸化するという状況が容易に想像されます。
これが是であれば、リスクの検討・対策を済ませた上で廃止で良いでしょう。
他方、“就活ルールが時代の変化についていけていない”というのは、“それを定めた政治やそれを求める教育、それを受け入れた経団連が時代の変化についていけていない”ということとほぼ同義であるかも知れません。
仮にそうなら負のレガシーと化している
・大学側の捉える「学業の在り方」
・政府側の捉える「学生(旧時代的な)ファーストという考え方」
こそ見直される必要があるでしょう。
Q:時代の変化に付いていけていないのは経団連、政府、教育機関なのか
個人的には“その可能性が高い”と考えます。
その根拠として、例えばこの記事にある世界時価総額ランキングを見ると
30年前とガラッと顔ぶれが変わっています。
その変化に驚くとともに、平成元年ランキング上位の日本企業は軒並み今の経団連加盟企業であることに気が付きます。
そしてもうひとつ、経団連加盟企業に今の日本の経済成長を支えているはずのIT企業が少ないことにも違和感を感じます。
経団連企業会員一覧
http://www.keidanren.or.jp/profile/kaiin/kigyo.pdf
参考資料
※このグラフは下記の公表データを基に筆者が作成しました
総務省|平成28年版 情報通信白書|日本の産業別実質GDPの推移
他方、奇しくも新卒一括採用が始まったのは1985年頃(およそ30年前)だそうです。
新卒採用の歴史|人事が知っておきたい新卒採用の変遷 | HR NOTE
色々と感じることがありますね。
A:あとがき的なもの
ルールがなくなることによって、企業が学生を拘束することが常態化し、学生の学業の妨げとなる事態を心配する声がありますが、現代はソーシャルメディアの力によって組織の不正が暴露されやすい時代になってきているので見えない抑止力は働きそうだなと感じます。