適性検査ってどう使われているの?
佐藤です。
お題は就活イベントで受けた質問について。
Q:適性検査とは何か
能力検査と性格検査からなる、その人の能力や人となりを把握するためのテストです。
Q:人事はどのように適性検査を使うのか
以下のどちらかです。
【全社平均値を用いたい企業の場合】
- 全社員に受験してもらい回収、採点する
- 全社員の平均値を把握し、それを採用ターゲットとして設定する
- 採用ターゲットの値により近い結果を出した人から合格させる
【一部の優秀層だけの平均値を用いたい企業の場合】
- 全社員に受験してもらい回収、採点する
- 活躍している優秀層だけの平均値を把握、それを採用ターゲットとして設定する
- 採用ターゲットの値により近い結果を出した人から合格させる
どちらも採用ターゲットを具体化する(ペルソナを作る)目的で活用されています。
Q:採点手法はどうなっているか
能力検査はあるスコアを足切り基準として用い
性格検査は能力検査合格者を対象とし、検査結果と採用ターゲット像を照合、合致度を評価されます。
Q:適性検査で不合格になった場合はどう解釈するか
能力検査で引っ掛かった場合は反省するべきですが、
性格検査で引っ掛かった場合は喜ぶべきです。
なぜなら
全社平均値と乖離があった=入社しても周りと合わずに浮いてしまう
優秀層の平均値と乖離があった=入社しても活躍できない、評価されない
からです。
Q:適性検査の不完全性
- 多様化の世の中で、同質的な社員ばかりを集めることが正しいのかという視点
- 現時点の優秀層と、これから先の優秀層は別である可能性が高いという視点
- 性格検査は回答を偽れてしまい、採用ターゲットとして設定するリスクが高いという視点
これら無視できない視点があります。
1.は言わずもがな、2.は活躍するための条件が時代的、社会的背景の違いにより異なるため、3.は対処のしようがありません。ライスケール(嘘つき度:似たような設問に対する回答のバラつき)を判定できるような適性検査が多いですが、それが分かったところで焼け石に水で、性善説を基に先に進めるしかありません。
Q:私が就活生だったら“適性検査の結果を採用基準にしている企業”に対してどのような疑問を持つか
・社員が画一的ではないか
・社内の評価制度が時代遅れになりつつあるのではないか
・上記のことに人事が疑問を持ち、対応しようとしているのか
・上記総合して時代の変化に柔軟に対応する力があるのか
以上です。
実際これが分かっても何の対策にもなりませんが、精神安定剤にはなるでしょう。
人材業界の端くれとして、適性検査も進化する必要がありますね。