Visiblog

次世代リクルーティングマーケットの創造に挑戦する2人が書くブログ

「私の就活軸は“福利厚生”」はなぜ嫌われるのか。

佐藤です。

 

今日のお題は、「就活生あるある」の筆頭です。

これから面接を控えている方は、この記事を読んでおいて損をしないはずです。

 

まず結論は

「その言葉は企業経営者や人事にとって『大企業、または可処分所得が高くなる企業に入りたいです!』と聞こえるから」

です。

 

そもそも福利厚生とは

「企業から従業員へ支給される “非金銭報酬” 」

のことで、

・法定福利厚生(法律で定められたもの=企業間で差がない)

・法定外福利厚生(企業が独自に定めたもの=企業間で差が発生)

があります。

 

 

「できる限り福利厚生(法定外)の充実した企業に入りたい」

そうですよね、正直私も同じです(笑)

この点が個人にとって大事であることは認めつつ、なぜ法定外福利厚生に差が発生するのかについて知っておくと、考え方が変わるかも知れません。

 

Q:法定外福利厚生の差はなぜ発生するのか

「法定外福利厚生を充実させ、社員にとっての可処分所得(収入の内、自由に使うことができる金額)を高くすることで、他企業に先んじて優秀な人材を採用したい、人材の流出を防ぎたいから」です。この点を充実させるためには、もちろん業績が良くなければできないので、「福利厚生の充実度が企業評価の指標になり得る」という考えは正しいと思います。

 

Q:なぜ大企業の方が福利厚生が充実しているように見えるのか

 「現社員(組織)に大きな影響を与えずに、若手社員の可処分所得を増やす制度」として福利厚生が活用されているからです。

昨今、勢いのある中小やベンチャー企業は、初任給を大企業以上に高く設定したり、夢のあるインセンティブ制やお洒落なオフィス、近代的なワークルールを武器に採用活動を展開しています。一方で大企業は組織が大きいが故に「給与体系や評価制度を柔軟に変更」できません(初任給そのものを上げると、数百、数千単位の社員全体の給与を上方修正しなければならず、人件費が桁違いに膨らみます)。その状態で何も手を打たないと、採用市場における優秀な人材の獲得競争に敗れてしまいます。

 

Q:福利厚生(法定外)が手厚くない企業はダメなのか 

そう結論付けるのは早計です。

福利厚生にお金をかけていないだけで、その分給与や賞与で社員に還元している企業は少なくありません。報酬が気になる方は、その辺の情報収集も行った上で、実質の報酬額を計算してみてください。

※法定福利厚生がない企業は論外です。

 

 

したがって、「就活軸は福利厚生です」という学生は

・そもそも働く気があるのか?

・働く前から給与以外の報酬を求めるなんて甘えた人物だ

・福利厚生の意味について正しく理解できているのか?

 ・うちを受験せず大企業に行けば良いじゃないか

と、大半の経営者や人事を嫌な気持ちにさせ、自分に対する評価を落としてしまいます。

※「御社の魅力は福利厚生が充実していることです」も同罪ですね

 

 

あくまで一例ですが、このように就活ナビサイトで飛び交う単語を安易に使うことは危険です。自身の伝えたいことを適切に表現できる言葉を探して、コミュニケーションを取ってください。