エントリーシートの処方箋(内容が薄い編②)
佐藤です。
都心はリクルート姿の学生で溢れかえっていますね。
今日のお題も、締め切りラッシュのエントリーシートについて。
Q:無意識に精神論を強調(に終始)してしまっているとはなにか
例えば(主にガクチカや自己PRですが)
「私はテニスサークルに所属しています。幹部代になった際に、メンバー間のモチベーションの差が大きいことが原因で練習がままならない状況になりました。このままではいけないと思って改革に乗り出しました。私はひとりひとりに自分から寄り添って熱心にコミュニケーションを取りました。徐々に私の熱意が伝わり、各メンバーのモチベーションが上がっていくことを感じました。」
太字の部分が該当箇所です。
Q:何がいけないのか
言いたいことはなんとなく読み手に伝わるものの、
読み手が知りたい情報が書かれていないということに問題があります。
Q:読み手が知りたい情報とはなにか
この場合は
- このままではなぜいけないと思ったのか
- 自分から寄り添うとは何をしたのか
- 熱心なコミュニケーションとは何をしたのか
- 徐々に熱意が伝わったとはどういうことか
- 各メンバーのモチベーションが上がるとはどういうことか
- そもそもここで言われているモチベーションとは何か
です。
こうした読み手が知りたい情報が書かれていないために
内容が薄いと感じられるのでしょう。
Q:どうすれば良いか
大切なのは
- 定義の曖昧な言葉に頼らず、現象や行動を、数値などを使いながら具体的に説明すること
です。
例えば先の事例に手を加えると
「私はテニスサークルに所属しています。幹部代になった際に、メンバー間の帰属意識や責任感の差が大きいことが原因で練習がままならない状況になりました。このままでは熱心なメンバーのやる気が損なわれたり、冷めたメンバーの脱退が起きてしまうと思い改革に乗り出しました。私はまず各メンバーにそれぞれ30分ずつ時間をもらって、全員の「何をサークルに期待しているのか」と「現状の満足度とその理由」を直接ヒアリングしました。次に「幹部代としてサークルをどのように運営していこうと思っているのか」「各メンバーに対して期待している役割」「各メンバーから出た課題を皆で解決したいという意思」を自らの言葉で説明しました。その結果、各メンバーの気持ちとサークルの運営方針の間の差が解消され、サークル内のコミュニケーションが活発になりました。
赤字が該当箇所です。
修正前と比べると
- 書き手が何を問題としているのか
- どのような行動を取ったのか
がイメージし易くなっています。
定義の曖昧な言葉は特に、
読み手に複数の解釈を与えてしまう危険性が高い
ので、注意が必要です。
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